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萌え出づるところの感想ブログ

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秀元とゆらCD買いました…買いました…うおおおおおおたぶん秀元好きって人少ないんじゃないかと思うんですけどすごい好きで超たぎった…
400年後に生き返って主が女子中学生って幸せですよね。あと敵が女子高生ってすごい幸せですよね。すっごいしあわせじゃないかと思うんですけど、なんでか秀元って寂しいですよね。

あとゲームぽちぽちやってて、鴆が花開院の人たちを手当てする場面があってここもたぎる。ウワアア!!!!!人間嫌いの鴆が!!!!陰陽師を!!!!!人間を!!!ウワアアア

そういうわけでたぎったので1年くらい前に打った小説(ぬら孫で一番最初に出した本/完売してます)の再録です。このネタでなんかしたい…あと再録なんですけどデータがなくて打ち直したのでちょっと違います…
サイトも1年たちました!!ありがとうございます!!

リク鴆前提 鴆+秀元「羽毛の月日が降ってくる」

大敗と言ってもいいだろう。大将はやられ、百鬼夜行は無残に壊された。
のっけから幸先悪いなあ、と花開院秀元は思う。
昔見た顔もいる。なかなかの実力を持った面白そうな妖怪もいる。だが最初に土蜘蛛にあってしまった。あれには勝てん、あれに当たってはならんかった。今回はなかなかしんどいかもなあ、と瓦礫の山を眺める。傷ついた妖怪ばかりだ。

ふと、視界の瓦礫の山の片隅に緑が走るのを見た。そうして、なんと懐かしいものが見つけられたものだと思った。
まだあったのか。
おそらく自分がこうして呼ばれる頃には、とうに無くなっていると思われたものが、まだここにある。

「おやまあ、儚い鳥がまだ続いとるんか」

秀元は声に出さずにいられなかった。
緑のような、青のような、そして少しくすんだ灰も薄っすらとかかっているような髪をした青年が立っている。髪は随分と短く、肌はいささか血色が悪い。
だがもし自分の考えが間違っていないのであれば、そのぐらいの血色の悪さは、当人たちにとっては許容範囲内のものに違いない。
鴆だ。
声をかけられた青年は、手に持った包帯やら薬やらを足元の九十九神たちにしまい込まさせているところだ。秀元に声をかけられ、随分と警戒している。
「そんな警戒せんといてや。とって食ったりはせえへん」
「役立たずの陰陽師が何のようだ」
毒を含んだ言葉が返される。いややなあ嬉しくなってしまう、と秀元は思った。こういうのも遺伝ってやつなんかな。言葉にも毒が入っとる。こんだけ月日があっても、呪い以外にも伝わってるもんはあるんやなあ。思わずニコニコと笑みを浮かべる。
「役立たず具合はどっこいどっこいやろ。そっちの大将もあっけなく土蜘蛛にやられてるやん」
「なっ…ふざけんなまだやられてねえよ!!まだ生きてる!!傷だって…俺が治す!!」
「ああ!やっぱ薬師なんや!てことはあんた今代の鴆なんや!」秀元はぱん、と手を叩いた。
鴆はあの頃からどれだけ代替わりしたのか。長い間死の床に就いていた秀元にはわからないが、人間と同じかそれより少ないくらいは代替わりしたはずだ。
妖怪は人間よりも大抵寿命が長い。人間の一生など、大抵の妖怪にとっては一夜の夢のようなものだ。
現に今ここでも、自分が生きていた頃も現役であった妖怪が、今なお現役で戦っている。それは残酷なほどの違いだ。人間が必死に細々と、だが脈々と受け継いできたものを、そういう妖怪は一笑に付する。それを残酷と言わずしてなんというのか。
だが秀元は知っていた。この妖怪はそういう意味で、酷く人間じみた妖怪なのだ。

鴆は、体内に毒を持つ。薬の知識に長けてはいるが、それは自らを癒すものではない。他者にしか使えない。酒に浸すと五臓六腑を溶かす猛毒となる鴆の羽毒は、どんなに代を重ねても、鴆を蝕む。
「ほんま、まさかここまで続いてるとは思わんかったわ。」秀元は回想する。

「他人の毒はなんでも消せる、でも自分の毒は消せん。だからいつか潰えるやろうって、当代の鴆が言ってたんや」



はるか、遙か昔の話だ。
ぬらりひょんが羽衣狐を打ち倒し、人間の嫁を連れて帰ってきた。
宴をする、という。場所はなんたる事か、秀元の実家であった。そこで鴆と呼ばれる妖怪に会った。
賑やかな宴から少し外れた場所で、交わしたのは、ささやかな言葉だ。
「あんた城では見かけんかったなあ?」
これについては、自分は毒の鳥にすぎず、ああいう「賑やかな」ところでは戦えないから、という事だった。
「賑やかなところはダメなんや?じゃあどこならいいん?」
例えばこう云うところで。ほらおまえの持っている杯はもう毒になっているよ、と返ってきた。せっかくの祝いの酒を飲めなくしてどうするんやと秀元は愚痴った。杯には緑の羽根が浮いていた。鴆という妖怪はくすり、と笑う。
「毒持ちの妖怪か、元は鳥なん?自分の毒で殺すって事は、鴆って奴やな」そう言うと頷いた。大陸から海を渡って来たと云う。どの位なら殺せる?と問うと、この宴にいるものはなにもかも、と返す。毒の強さなら誰にも負けぬ、何しろ自らを蝕むほどだ、と。
毒を消す術を探してこちらに来た。随分と薬に詳しくなった。だが、自分の代ではこの毒は消せそうにもない。途方に暮れた。そんな時に大将に拾われた。感謝している。そんな言葉が続く。
子孫は毒を消す術をこれからも探すだろう。だが、その前に毒にやられるかもしれないが。

そう言って、鴆は儚く笑ったのだ。

月日を重ねて子孫は薬に詳しくなった。
おそらく薬師のようなものをしているのだろう、傷付いたもの達を介抱する手つきは慣れたものだった。
だがそれでもどんなに月日を重ねても、毒を消す事は出来なかったのだ。青年は気丈な、だがその顔には明らかに健康とは言いがたい色が浮かんでいる。
何百年前にも見た肌の色と同じだ。髪も緑のような、青のような、そして少しくすんだ灰も薄っすらとかかっているような色。
ほんま月日は残酷やなあと秀元は思う。毒は消せなかった。こちらも狐の呪いはいまだ消えない。
だが長い日々を生きられる妖怪のそばで毒に侵されながらも生きながらえ、そしてこちらは、呪いによる子孫の早死にに悩まされながらも、ここまで続く事ができた。
上々ではないか。これは素晴らしい事なんやないかなあ。

秀元はニコニコと笑う。
彼にとっては、いや寿命の限りある人間にとっては、延々と生きられる妖怪よりも、鴆のような妖怪の方が愛おしく思えるのはしょうがない。
やあよく生き延びた。この長い年月の間、よう生き延びた。あんたの親父もその爺さんも、随分と必死に生きたんやろうなあ。
あんたらの毒、いつか消えると良いなあ。



だから秀元は言った。
「鴆は京都にはおらんほうがいい。ここは祭りや、お前のおれる宴やない。そこら中の妖が戦い会う祭りや。鴆は戦えんやろ。」続けて云う。
「続けて来た命、自分の代で終わらせんとき」
鴆は黙って秀元を見据える。
白い顔がさらに青ざめ、だが鈍い赤色をした目は、明らかに怒りを浮かべていた。
「あんたに何がわかる」
青白い顔に血の気がさしている。
「俺は、戦える」
そういって秀元を睨み付けた。

ああ、あの儚くわらった鴆という生き物はいなくなってしまった。秀元は思った。
種族が続いても、どんなに子孫が生き延びても、種族の「さが」が変わってしまっていてはしょうがない。惜しいことやなあ。
「あの儚い笑みが好きやったんだけど」
何かをすでに諦め、その諦めを子供に伝えるべく生きているような、あの笑いが好きだったのに。月日を重ねて鴆という主のさがは、こんなにも変わってしまった。

秀元は思う、あの鴆は、子供にこうなってほしかったのだろうか。毒を消すべく耐えて生き延びる、そういっていた鴆は、本当はこうなりたかったのだろうか。
「俺は、あいつのために戦う」
誰かのために、戦いたかったのだろうか。
自らのために生きるのではなく、誰かのために生きたかったのだろうか。


秀元はその長い年月の間に、何があったのかわからない。だから鴆が戦う、戦いたいのだと言うならば、秀元に止めることはできない。
たとえ「鴆」がここで息絶えようと、自ら狐に喰われようと、知ったことではないのだ。
だが興味はあった。鴆はいつ毒を消すのを諦めたのか、いつから誰かのために戦うことを覚えたのか。

ぬらりひょんの孫を思い浮かべる。今は傷だらけの彼に今の「鴆」はずっとついている。鴆が変わった理由は、きっとあれなのだろう。

「なんや、ほんま、四百年前も、四百年後も変わらず興味引かせる存在ってのは、あるもんやなあ」
秀元は呟く。鴆の戦い方はわからない。

だが儚い笑いを捨てて、月日を重ねてきたものを、見てみたい。
そう、思ったのだ。

END

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